デイサービスで働く看護師の仕事内容や医療行為の範囲｜給料や魅力についても解説

デイサービスとは、持っている能力に応じて自宅で自立して生活できるように生活機能の回復や、維持を目指すためのサービスが日帰りで受けられる施設です。利用者は機能回復訓練や日常生活の介助を受け、病気などにより失った機能の回復や維持を目指します。

また、デイサービスは利用者のご家族など介護をおこなう側の負担軽減も目的とされているサービスです。利用者がデイサービスに通う時間は、家族はリフレッシュや休憩に充てることができます。デイサービスは、介護される側と介護する側の両方を支援する役割を担っているといえるでしょう。

なお、デイサービスは介護保険サービスのひとつで、通所介護とも呼ばれます。利用者は要介護度・要支援度によって定められた範囲内で介護保険の適用を受けることができます。

どのような方が利用している？

要介護1～5の認定を受けた方。

要介護1：

基本的に一人で生活できる状態だが、運動機能・思考力・理解力の低下、問題行動がみられることがある。

要介護2：

日常生活の基本動作でも部分的な介助が必要な状態。

要介護3：

基本動作だけでなく全面的な介助が必要な状態。

要介護4：

全面的な介助が必要な状態。

要介護5：

介護なしでは生活できない状態で、意思の疎通が困難。

要介護とは厚生労働省が定めた介護の必要度合いのことです。各段階の状態の目安を上記に記載しました。

どの段階に当てはまるかはコンピュータと専門家による審議会の2段階で判定をおこないますが、病気の重さと要介護度の高さは必ずしも一致しない場合があります。

また、要支援の方は「介護予防サービス」を利用することができます。

デイサービスの看護師の職場

• 趣味特化型デイサービス
• 認知症対応型デイサービス
• リハビリ特化型デイサービス

デイサービスには、趣味特化型と認知症対応型、リハビリ特化型の3つの種類があります。リハビリ特化型デイサービスには「半日型」や「一日型」があり、利用者の利用時間が異なります。

また、リハビリ特化型デイサービスはデイケアと似ていますが、医師の常駐はないので、医療的ケアではなくデイサービスで提供できることを考えるのも看護師の役割となります。

デイケアとの違い

	デイサービス	デイケア
目的	利用者が自立した日常生活を送ること	利用者の身体の機能回復や維持
医師の常駐	なし	あり

※デイケアは「通所リハビリテーション」ともいいます。

デイサービスの同時利用者数が10人を超えるときは、看護師の配置基準は1人以上となります。常勤である必要はありませんが、ほかの職員との密接かつ適切な連携が必要とされています。

なお、土日や祝日は休みの施設が多いため、定員10人を超える施設であっても在籍する看護師は1人というケースも多くあります。

デイサービスは医師が常駐していない施設です。そのため、緊急時には看護師が一次対応にあたる必要があります。令和2年10月1日時点で全国に24,087のデイサービスがありますが、いずれにおいても看護師が求められる場合は多くあります。

看護師は医師の指導のもと医療行為を行います。デイサービスには医師がいないため、緊急時には看護師は利用者の主治医と連携し、医師の指示に従い対応にあたります。

また、利用者の健康状態によっては、医療的な根拠を持って助言ができる看護師の存在は重要といえるでしょう。

常勤	看護師	441万7,000円
	准看護師	402万5,000円
非常勤	看護師	398万3,000円
	准看護師	361万7,000円

上記の表はデイサービスで働く看護師の年間給与を示しており、賞与や手当が含まれた額（所得税や社会保険料が差し引かれる前）を記載しています。

看護師全体の平均年収に比べると給与はやや低い傾向にあることが分かりますが、デイサービスでは夜勤がないことが影響していると考えられます。

• 利用者に合わせた処置の決定
• バイタルチェック
• 服薬管理
• 床ずれや創部のケア
• 軟膏塗りや点眼、爪切りなどの処置
• 口腔ケア
• インスリン注射
• 胃ろう管理
• けがの処置・体調が悪い利用者の対応
• 食事介助
• 食事提供時の誤嚥の対応
• 入浴介助
• 介護士のサポート
• 看護記録への記入

看護師には、医学的知見が必要とされるバイタルチェックや服薬管理、褥瘡のケア、けがの処置、インスリン注射、胃ろう管理などの仕事が任されます。

また、これらに加えて食事や入浴、排せつの介助など日常生活の介助も行います。特に誤嚥時には医学的知見を必要とされる対応が求められるので、看護師は誤嚥の可能性がある利用者さんの食事の介助を担当することがあります。

8：30	出勤
8：45	利用者さんのお出迎え
9：00	バイタルチェック
10：00	入浴後の処置
11：00	リハビリ
12：00	昼食時の対応
13：00	休憩
14：00	業務記録の作成
15：00	レクリエーション
16：00	利用者さんのお見送り
16：30	片付け・各種準備
17：30	退勤

※一例です。

デイサービスは日中だけの施設のため、スタッフはいずれも日勤のみの勤務です。看護師も基本的にはシフトがなく、朝8時30頃に出勤し、夕方17時30分頃に退勤します。12時前後は食事の介助などで忙しいため、スタッフが交代で食事をとることが一般的です。

デイサービスは夜勤がないから収入も低いのではないのか？」「看護師としてのスキルが向上しにくいのでないのか？」などのイメージを持つ方もいるでしょう。ここでは、この2つのイメージと実態について解説します。

病院やほかの介護施設に比べて収入は低い

デイサービスは病院や入居型介護施設などと比べると、夜勤がない分収入が低い傾向にあるものの、夜勤がないことから体力的な負担が少ないため、規則正しい生活を送りたい方、育児や家事との両立を目指す方におすすめです。

看護スキルを求められる場面が少ない

デイサービスは介護施設のため、病院と比べると看護スキルを求められる場面は少ないでしょう。しかし、褥瘡のケアや胃ろうの管理、インスリン注射などの看護師にしかできないことを必要とされる場面は多く、また、そのほとんどを一人で対応する必要があるので、これまでに培った看護技術を活かせる職場といえます。

高齢化が進む中、要介護者はさらに増加すると考えられます。今後もデイサービス事業所は増え、デイサービスで働く看護師へのニーズも高まるでしょう。腰を据えて働くにはよい環境と考えられます。

• 規則的な勤務体制
• ゆとりのある業務内容
• 精神的負荷が少ない

ご紹介している通り、デイサービスは魅力的な職場です。先輩看護師さんが感じている主な魅力をご紹介します。

規則的な勤務体制

原則として毎日同じスケジュールで働くため、日勤や夜勤のシフトがありません。生活のリズムが作れるので、体調も整えやすい職場です。

ゆとりのある業務内容

デイサービスは急患がなく、要介護度が低い利用者さんが中心の施設です。ゆとりをもって仕事ができる点も魅力といえます。

精神的負荷が少ない

デイサービスでは急変や看取りなどはあまりありません。看護師にとって精神的な負担が少ない職場といえます。

デイサービスの看護師求人を探す

• 体を動かすことが好きな人
• 仕事にブランクがある人
• プライベートと両立させたい人
• 介護に興味がある人

デイサービスでは看護師は介護士とも協力して、日常生活の介助やレクリエーションへの参加も行います。体を動かすことが好きな人や介護に興味がある人におすすめです。また、緊急対応や医療的措置などを求められることはほとんどないため、仕事にブランクがある人やプライベートと両立させたい人にも向いています。

デイサービスの看護師求人を探す

• デイサービスの種類
• 給料・勤務体制
• 業務内容
• 看護師以外の業務内容

小規模のデイサービスは求人募集枠が少なく、新規で大規模的に募集されることはあまりありません。デイサービスへの転職を検討しているのであれば、早めに転職活動を始めるようにしましょう。

スムーズに転職を成功させるなら「ナースではたらこ」をご利用ください。非公開案件も扱っているので転職市場に出回っていない案件をチェックすることができます。また、キャリア・アドバイザーがしっかりサポートしてくれるので、自分に合うデイサービスの職場を選べるでしょう。

デイサービスは原則としてシフトがないため、規則正しく働くことができます。また、緊急対応なども少なく、腰を据えて働けるのも魅力です。しかし、働きやすいことから看護師の入れ替わりが少なく、案件数が多いとはいえません。

ナースではたらこでは非公開求人も扱っているので、デイサービスへの転職を目指す看護師さんはぜひチェックしてみてください。また、給料や職場の雰囲気などもキャリア・アドバイザーが事前に調べてくれるので、自分に合う職場を見つけることができます。

デイサービスの看護師求人を探す