保育園看護師の仕事内容｜やりがいや魅力、給料やよくある悩み

近年、保育園での看護師の配置は努力義務が促進されており、年々需要が高まりつつあります。

保育園で看護師が求められている背景としては、園児の保健管理や衛生管理が重要であることがあります。

また、園児の中でも乳幼児の場合、特にきめ細やかな健康管理や感染症対策、発達への配慮や清潔管理など、日々の保育園での生活に看護師の知識が求められています。

必須の資格	看護師、または准看護師
役立つスキル	病棟での実務経験 小児科での実務経験 子育ての経験

看護師または准看護師の資格を持っていれば、保育園で看護師として働くことができます。看護師として勤務するため、保育士資格は必要ではありません。とはいえ、小児科での勤務や子育ての経験などがあると保育園での仕事にも役立てられるでしょう。

保育園看護師の主な仕事のひとつが、園児の健康管理です。また、職員の健康管理や、月に何度か「保健だより」を作成して保護者への保健指導も行います。それぞれの仕事について詳しく解説します。

園児の健康管理

• 園内の衛生管理
• ケガや体調不良の園児への対応
• 持病のある園児への対応
• 障害をもつ園児への対応
• 健康診断・歯科検診の補助
• 手洗い・うがい等の衛生指導
• 保育補助
• 園外保育

保育園看護師は、園児の体調をトータルで管理する仕事です。衛生指導はもちろんのこと、体調が優れない園児の様子を見たり、ケガをしたときの応急手当などをすることもあります。また、アレルギーやぜんそくなどの症状をもつ園児がいる場合、その対応を行うこともあります。

また、園外保育に一緒に出掛け、園児がケガをしないか見守ることも保育園看護師の仕事です。他の時間には保育を行い、園児たちと時間を過ごします。

職員の健康管理

• 職員の健康診断
• 保健指導内容の周知

園児だけでなく職員の健康管理も看護師の担当です。健康診断の準備や病院との連絡役を担います。

また、園児や保護者へ行う保健指導に関しては、職員にも周知する必要があります。「保健だより」を作成したときは保護者への配布前に職員へ配布して、内容を説明、職員に実行して欲しいことを伝えることも仕事となります。

保護者への保健指導等

• 保健指導
• 予防接種の情報提供
• 日常的なコミュニケーション

園児の健康を守るためには、保護者と連携を取ることが必要です。「保健だより」を発行して家庭での衛生について注意喚起をしたり、予防接種などの情報を提供したりします。

また、掲示板にポスターを貼るなどでも、保護者の注意を促します。普段から保護者とコミュニケーションを取り、子どもたちの体調の情報を共有することも保育園看護師の役割です。必要に応じて、個々に保護者への連絡やアドバイスをすることもあります。

8:30	出勤・ミーティング
8:45	バイタルチェック
9：30	保育補助
12：00	園児たちの昼食→昼寝（職員休憩）
14：00	書類作成や衛生管理など
14：30	レクリエーションや機能訓練、業務記録作成
15：00	園児たちのおやつ
17：30	退勤

保育園で働く看護師さんの一日のスケジュールは上記のようなイメージです。なお、こちらはあくまで一例ですが、比較的残業がなく、規則正しい生活を送りやすいです。

医療機関とは異なる環境で働くことで、保育園看護師ならではの悩みが生じることがあります。どのような悩みがあるのか解説します。

ほとんどの保育園では看護師配置は1人

保育園での看護師は1人体制のことが多く、1人で判断するような場面での責任が大きいと感じることがあるようです。できるだけ、園医や関連する他の保育園の看護師などとコミュニケーションをはかり、相談ができる環境をつくることも大切です。

保護者とのコミュニケーションが難しい

保護者と接することに慣れている保育士とは異なり、最初のうちは保護者とどのような距離感で接すればよいのか迷うこともあるでしょう。子どもの体調の責任を看護師さんに押し付けられてしまうケースもあるようで、関係に悩む看護師さんもいます。

医療行為をほとんど行わない

保育園で行う医療行為は応急処置がほとんどで、病院で行うような採血・投薬などは基本的には行いません。そのため、知識と経験を十分に活かしたい看護師さんにとっては物足りなく感じることもあるでしょう。反対に、採血などが苦手な看護師さんにとっては保育の現場で働くことはメリットに感じるかもしれません。

責任の大きさや保護者とのコミュニケーションに悩むことはありますが、保育園を職場とすることには魅力もあります。具体的な魅力を5つ紹介します。

子どもとの関わりが楽しい

子どもが好きな人にとって、子どもたちと触れ合える保育園は楽しい職場といえます。また、保育園の元気な子どもたちを相手にするため、たくさんの笑顔に癒されたり、成長の瞬間に立ち会えることができるのも保育園で働くメリットといえるでしょう。

子育ての経験が生かせる

子育て経験者は、経験を生かして働くことができます。子どもとの関わりや泣いたときの対応なども、保育書で学ぶよりも実践を通して学んだことの方が身についているでしょう。スキルや経験を活かして働きたい方にも、保育園は適していると言えます。

カレンダー通りの土日休みが多い

病院で働く場合は土日祝日が休みになるとは限りませんが、保育園の休日はほとんどがカレンダー通りです。年末年始や夏季休暇もあるので、家族や友人と休暇を合わせやすいというメリットがあります。また、残業が少ないこともメリットの1つのです。

夜勤がない

大きな病院で働く場合は夜勤を含めたシフト制が一般的ですが、保育園の場合は早番や遅番があっても、基本的に開園時間内での勤務です。24時間開園している保育園でない限り、夜勤を行うことはないので、体力的な負担は少ないというメリットがあります。

住宅手当がもらえる

保育園で働くと住宅手当がもらえることが一般的です。月に数万円の補助を得られる場合もありますが、社宅を借りられることもあります。また、自治体によっては保育士不足解消のために、自治体主導で住宅支援制度を実施していることもあります。

	常勤	非常勤
私立	408万2,000円	298万6,000円
公立	476万3,000円	250万1,000円

保育園で働く看護師の年収は、勤め先が私立・公立によっても変わりますが、常勤が400万円台、非常勤は250～300万円が平均となっています。

看護師全体の平均年収に比べるとやや低い傾向にありますが、前述のとおり、夜勤がなく日勤のみで土日休みであることが多い、などが影響していると考えられます。

保育園看護師の求人案件は医療機関での求人案件と比べると少ないため、事前のリサーチが必要です。リサーチ後は、常勤の仕事に空きがない場合は非常勤から仕事を始めることもあります。求人案件を探す手順について詳しく見ていきましょう。

1．事前にリサーチする

給与や職場環境、残業など事前にリサーチし、自分の条件に合う職場が近くにあるか調べてみます。近隣の保育園に直接問い合わせたり、自治体に相談したりすることもできるでしょう。

2．非常勤から探し始める

保育園看護師の採用は、経験者が優遇されることが一般的です。また、子どもの相手として体力が必要なため、採用条件に年齢を含めている保育園もあるのでよく確認しましょう。

常勤の求人が見つからなかったときは、非常勤の求人があれば応募し、勤務することで常勤の空きが出た際に取り立ててもらえるケースがあります。まずは非常勤で働いて経験を積むというのも有効なやり方といえるでしょう。

3．人材紹介サービスを利用する

看護師の求人は非公開であることが多いので、非公開案件を扱う看護師向けの転職サイトや人材紹介サービスを利用することで、効率よく保育園看護師の求人を見つけることができるでしょう。

また、保育園看護師の求人は、事前にリサーチしても園の雰囲気や給与などは分かりにくい場合もあります。給与などの条件は、直接は聞きづらいものです。人材紹介サービスなら聞きにくいことも専属のキャリア・アドバイザーを通して詳しく知ることができるので、不安なく転職活動を進めていけるでしょう。

保育園看護師の仕事は、残業が少なく土日祝日は休みのことが多いため、比較的規則正しい生活を送ることができます。また、日常的に子どもと接するので、子ども好きな人に適した職場といえるでしょう。

しかし、医療機関と比べると看護師の求人数が少なく、希望の求人を見つけにくい傾向にあります。非常勤で保育施設での経験を積むなど、計画的に仕事を探していきましょう。非公開案件を扱う看護師向け人材紹介サービスであれば、探しづらい保育園看護師の仕事も見つけやすくなります。気になる給与などもキャリア・アドバイザーを通して尋ねられるので、不安なく転職活動を進めていける点も魅力です。

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