回復期リハビリテーション病棟の仕事内容
回復期リハビリテーション病棟で行われるチーム医療の中で、看護師さんの役割はとても大きいものです。ここでは回復期リハビリテーション病棟の看護師さんのお仕事内容をご紹介します。
基本データ
回復期リハビリテーション病棟の役割とは
回復期リハビリテーション病棟は、脳卒中などの脳血管疾患や、大腿骨・骨盤などの骨折や外傷といった重症の整形外科疾患で、脳や脊髄を損傷された患者さまが、日常生活動作(ADL)の改善や在宅復帰を目的としたリハビリテーションを集中的に行う専門病棟です。多職種の専門家がチームを組み、心身ともにさまざまなサポートを必要とする回復期の患者さまのADL向上を目指します。
回復期リハビリテーション病棟の種類
回復リハ病棟には、人員配置やリハビリの評価基準が異なる、施設基準「回復期リハビリテーション病棟入院料1」から「回復期リハビリテーション病棟入院料6」の6つの種類があり、配置されるスタッフや、行うリハビリの内容に違いがあります。たとえば、入院料1・2の病棟はPT・OTだけでなく、STや社会福祉士といった多職種のスタッフが配置されていて、より総合的にリハビリに取り組んでいるケースが多いといえます。
回復期リハビリテーション病棟の患者さま
【多い疾患】脳血管疾患、大腿骨・骨盤骨折などの重度の整形外科疾患
回復リハ病棟の患者さまのおもな疾患は脳血管疾患と重度の整形外科疾患で、脳血管疾患の方が、より身体機能の低下した患者さまが多く、75歳以上の後期高齢者を中心とした年齢層です。一方、整形外科疾患は40~50代の患者さまもいらっしゃいます。脳血管疾患と重度整形外科疾患のどちらの患者さまが多いかは病院によって異なり、それにより仕事内容も変わってきます。
【入院可能な期間】60日から180日(疾患により異なる)
入院可能な期間は疾患により異なり、脳血管疾患の場合、150日から180日、整形外科疾患の場合が60日から90日となっています。最大半年の長期にわたる入院生活の中でリハビリテーションを実施し、患者さまの日常生活復帰に向けた支援を行います。
回復期リハビリテーション病棟の医療行為
【多い医療行為】排泄管理(膀胱留置カテーテル管理)・経管栄養剤の注入など
【回数は多くないが実施する医療行為】(気管切開患者さまへの)痰の吸引・採血・点滴など
リハビリテーションを目的とした病棟のため、急性期と比較して医療行為は少なめです。
回復期リハビリテーション病棟(2交替制)の一日例
※あくまでスケジュール例であり、職場により詳細は異なります
日勤の一日
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8:30
情報収集・カンファレンス
受け持ちの患者さまの情報収集の後、医師・PT・OT・社会福祉士などチーム全体でのカンファレンスで情報共有・確認を行います。看護師だけではない多職種でのカンファレンスは回復期病棟の特徴です。
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10:00
検温・環境整備・入浴介助・入退院対応
受け持ちの患者さまを巡回し、検温を行いながら、状態の確認をします。その他、環境整備や入浴する患者さまの介助、入退院の対応などを行います。患者さまそれぞれのリハビリ訓練や検査、入浴などのスケジュールに沿って、必要に応じた支援や介助を行います。
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11:30
食堂へ誘導・食事介助・服薬管理
患者さまを食堂へ誘導し、食事介助を行います。
また、食事後の服薬管理も実施します。在宅復帰を目指す回復期病棟では、出来るだけ退院後の生活に近い形で過ごします。そのため、食事は3食、食堂で食べるのが原則です。 -
12:00
休憩
交代でお昼休憩を取ります。
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13:00
記録・看護計画の見直し
午前中と同様、患者さまのスケジュールに沿って支援・介助を行いながら、記録や看護計画の見直しを行います。在看護計画の見直しをこまめに行い、リハ計画に反映していくことが重視されています。
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17:00
退勤
夜勤の一日
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16:30
情報収集・申し送り
受け持ちの患者さまの情報収集、日勤スタッフとの申し送りをします。
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17:30
食堂へ誘導・食事介助・服薬管理
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18:30
洗面所への誘導と介助・更衣の誘導と介助
歯磨き・洗面のため、洗面所へ誘導します。歯磨き・洗面や寝衣への更衣なども、退院後を見越して、なるべく自力で行えるよう介助・支援をします。
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19:30
休憩・排泄管理
交代で夕食の休憩を取ります。残ったスタッフは排泄管理を行います。
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21:00
消灯
夜間は2時間ごとに巡回します。
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6:00
洗面所への誘導と介助・更衣の誘導と介助・バイタル測定・採血
歯磨き・洗面のため、洗面所へ誘導します。必要な患者さまのみ、バイタル測定・採血を行います。バイタル測定・採血の頻度は急性期と比べると低めです。
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7:30
食堂へ誘導・食事介助・服薬管理
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9:00
退勤
(最終更新日:2019年1月15日)
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